キーを抜いて車から降りるとヘッドライトが勝手に点灯していたり、ブロアモーターが回りっぱなしになることがあるという平成21年式パッソ セッテ(M502E、3SZ)
もちろん、ヘッドライトスイッチはOFFであり、オートライト機能もない。
ヘッドライト回路は次の通りで、ライトスイッチでライトリレーをONさせて電球の電源を供給。及び、電球のアース側をスイッチで切りかえるという単純な回路である。
ライトスイッチがOFFなのにライトが点灯していることがあったので、ヘッドライトスイッチのコネクタを抜いてみた。
すると、ヘッドライトは消えた。
単純に考えればライトスイッチが不良と思うが、実は他工場で交換済みである。
配線図を見ると、ヘッドランプの電源はリレーから供給されるが、ヘッドランプのアース側はライトスイッチを経由してアースされるようになっていた。
よって、ライトスイッチのコネクタを抜くと、電源側のリレーもOFFになるしアース側の回路もOFFになるので消灯するはずである。
よって、このように、電源とアースの両方を制御している回路では、スイッチのコネクタを抜く方法は原因が電源側なのかアース側なのかは判断できない。
ということで、サーキットテスタを使い電圧を測定すると、不具合発生時は、ライトリレーのコイルのアース側電圧が約2VでありリレーがONしていることがわかった。
その状態でライトスイッチのコネクタを抜くと、ライトはアース回路が不成立のため消えるがライトリレーはONしたままだった。
リレーのコイルのアース側の電圧を測定すると、ライトスイッチがOFFにも関わらず約2Vの電圧だった。
ということは、リレーとライトスイッチ間でアースとショートしていることになる。
リレーとライトスイッチのコネクタの抜いた状態で、この端子とアース間で抵抗を測定すると、数kΩの抵抗があった。
やはりレアショートである。
不具合箇所の範囲を絞り込むために回路途中にある3C-3Eコネクタを外して切り分けることにした。
このコネクタは助手席足元にあったのでカウルサイドカバーを外すと原因が判明。
コネクタを外すと更にひどい状態に。。。
雨漏りでもしているのかと思い周囲を調べたが湿ってはいなかった。
ただ、サイドパネル側面部にはコーヒーが漏れたような形跡があったり、このコネクタの上にあるカップホルダ内にも茶色になったコーヒー跡があったりしていた。
このコーヒーが原因かどうかは不明だが、この不可思議な現象の原因は錆には間違いなさそうである。
なお、この車、不具合発生時にキーをONにするとライトが消えるという不思議な現象も出るのだがその原因もなんとなくわかった。
リレーのコイルアース側の端子は、レアショートにより、キーOFF、ライトスイッチOFFで約2Vの電圧が出るのだが、キーをONにすると12Vの電圧が出るのである。
ということは、リレーのコイルの両端が12VになるのでリレーはOFFになり当然ライトは消える。
なぜ、キーONで12Vになるのかは確認が取れていないが、たぶん、キーONにするとレアショートしている先に12Vの電圧が発生するものがあるからと思われる。
キーOFFでは、レアショートにより負荷経由で電流が流れリレーがONして点灯。
キーONでは、レアショート先に発生する電圧によりリレーがOFFし消灯。
錆によるトラブルは摩訶不思議な現象を出すので厄介である。
ちなみにブロアファン関係の配線も同じコネクタ内にあった。