前回紹介したエブリ。
プラグの内部リークだったのではないかと思われるが、以前、プログ仲間からこの内部リークに関する貴重な資料をもらったことがあったので紹介する。
そこの従業員が新品のプラグ4本を交換したのだが、交換後、エンジン不調になったというのである。
プラグを交換した理由は、エンジントラブルではなく、走行キロが交換時期に来ていたからである。
元のプラグに戻すと、エンジン不調はなくなったというのである。
1本ずつ交換してみると、1,2,4番シリンダについていたプラグが不良だったとのこと。
新品のプラグの不良だという事で、部品を納入した業者に言うと、製造元のNGKに送って調べてもらうということになったようである。
NGKでは、外観点検、内部点検(レントゲン検査)、絶縁抵抗値、内部抵抗値、火花試験、解体調査などを行ったようで、そのすべてにおいて1本ずつの結果報告がなされていた。
なお、絶縁抵抗値とは、中心電極と接地電極との絶縁状態のことであり、多分、メガーで測定したのではないかと思われるが、結果は、1番と4番が数100Ω、2番と3番が∞Ωだった。
絶縁点検なのでたぶん∞Ωが正常値と思われる。
また、内部抵抗値とは、たぶん中心電極の上下部で測定もので、不良だった1番、2番、4番は∞Ωで3番は5kΩ。
内部抵抗値の基準値は、レジスタ入りのプラグの場合、大体、5~6kΩくらいだと思われる。
新品のプラグの内部抵抗値は5.09kΩだった。
また、レジスタ無しのプラグを当然だが、ほぼ0Ωである。
火花試験(常温加圧状態)では、1番と4番に内部リークが認められ、2番と3番は正常に飛火していたようである。
次に、レントゲンの結果だが、明らかな折損は見られなかったが、2番と4番は斜め(左側)になっているようにも見える。
そして、ネジ部の金属部を外すという解体調査を行うと、4本中3本が、金属部分の絶縁体がリング状に割れていたそうである。
また、1,2,4番のプラグにおいては、プラグレンチが当たる六角部の上下の対角にプラグレンチによるものと思われる圧痕があったとのこと。
これは、プラグレンチが斜めに当たった時に起こる痕跡のようである。
これらを、総合して判断すると、プラグレンチが斜めになったことにより、てこの要領で1,2,4番のプラグの絶縁体が割れ、その割れた部分で、中心電極からネジ部の金属(=接地電極)へのリークが起こって失火していたようである。
この報告を受け、作業者にいろいろと話を聞いてみると、プラグを締め付ける時に、作業性が悪かったので片手で締め付けたとのことであった。
多分、片手で締め付けたことにより、レンチが傾いていたのではないかと思われた。
つづく