いろいろ調べた結果、交換した電スロが怪しいのだが、全く同じように故障しているとは思えなかった。
どうにかして電スロの良否を判断したいが交換するしか手がない。
交換できるものはないかと、ストックしてある電スロを探したが、良品と思われる物はなかった。
ただ、以前から思っていたのだが、色々な電スロを見てきたが、自動車メーカーが違っても電スロの形状やコネクタは大体同じではないかと感じていた。
どういうことかというと、電スロ自体は専門の製作メーカーが作っており、それを各自動車メーカーが使っているのではないかという事である。
そこで、会社や社員の車を見て回ると、アルトのKFエンジンの電スロが形といいコネクタ形状といいそっくりである。
ただ、違うのは電スロのカバーをスバルはクリップで、スズキはリベットで止めていることだけである。
左がレガシー、右がアルトの電スロ
配線図で端子配列も同じであることを確認し、アルトにレガシーの電スロを付けてみた。
キーONにすると、スロットルバルブは動いた。
アクセルペダルを踏むと、問題なく電スロが動いた。
おまけに、キーON時のスロットルセンサーの電圧を調べるとレガシーとほぼ同じなのである。\(^_^)/
合うだろうとは思っていたが、スロットルセンサーの特性までも同じと驚きである。
K6Aにつけてイニシャルチェックを行えたという事は、レガシーの電スロは問題ないということになる。
これで、配線とアクチュエータの疑いは晴れた。
となると、ECUが疑われるが、これも交換済みであり可能性は低い。
ECUはモーターを動かす制御を行っているのにモーターが動かない。
しかし、電スロや配線は問題ない。
となると、可能性は1つしかない。
そのスロットルモーターリレー回路に接触抵抗等があれば、モーターへの信号が出ていてもモーターは動かないはず。
当然、モーターが動かなければスロットルセンサーの信号は変化しない。
調べると、スロットルモーターリレーはグローボックス奥に燃料ポンプリレーと並んであることが分かった。
信号を調べようかと思ったが、簡易的には交換すれば簡単なので隣の燃料ポンプリレーと入れ替えてみた。
すると、正常になったのである。
元の状態に戻すと不具合は発生。
また、入れ替えると正常になった。
リレーが原因は間違いなさそうだった。
リレーを外して単体点検をしたが接点の抵抗は問題なかった。
オシロスコープで電圧を測定しようと思い、元の状態にして、ECUのコネクタ部でリレーからの電源端子と、モーターへの通電状態を調べることにした。
すると、これ以降、症状が出なくなったのである。
ただし、2回だけ原因と思われる波形が撮れた。
上:モーターへの出力(ECUのD4とD5)
下:電スロリレーからの入力(ECUのD6とアース間)
キーONにした瞬間、リレーがONし電源がECUに供給されたのだが、チャタリングを起こし6Vくらいまで低下したのである。
その時のモーターへの信号も、最大6Vしかなくおかしくなっていた。
この電圧では、モーターは動かないかもしれない。
作動音はしていたのに動かなかったのはこれが原因だったのかもしれない。
D6の電圧が低下ということは、それより上流に抵抗があるということである。
しかし、エンジンはかかるということなので、メインリレー上流の分岐点より下流である。
そう考えると、可能性が高いのは電スロリレーの接点の接触不良か、リレーのコネクタ部の接触不良である。
本当は、リレーのコイルの電源側とアース側を調べる必要があったのだが、1週間たっても症状は出ないままだった。
とりあえずリレーを交換して納めた。
半年ほど経過したが再発していないようである。