始動不能の平成15年式キューブ(BZ11、CR14)
点検すると、火花点検で火花は飛ばず。
インジェクタの作動音もない。
火花とインジェクタがNGの場合、一般的にエンジン回転センサー系(クランク角センサー、カム角センサー)とECU系が疑われる。
しかし、このキューブのようにクランク角センサーとカム角センサーの2つエンジン回転センサーがある場合は、ダイアグでどちらかのコードが残ることが多い。
それが今回は正常コードだった。
また、ECU系不良場合は、キーONでチェックランプが点灯しなかったり、スキャンツールとの通信ができなかったりすることが多いのだが、この車はチェックランプは点灯しているし通信もできる。
となると、エンジン回転センサー系とECU系以外に原因がありそうである。
この2つ以外で火花とインジェクタがNGになる可能性は1つある。
一部のメーカーや一部の車種に限るかもしれないが、クランク角センサーとカム角センサーの位相ずれである。
具体的にはスバル(軽のみ?)のOCV不良によるVVTの進角と日産のタイミングチェーンの伸びである。(ダイアグ表示する車種もある。)
クランク角センサーのコネクタを外してクランキングすると、若干時間はかかったが始動できた。
フェイルセーフが働きカム角センサーだけ始動できたのである。
となると、やはり位相ズレが疑われる。
シリンダヘッドカバーを外して点検すると、タイミングチェーン用のオートテンショナがほぼMAXの7~8ノットほど出ていた。
※写真は以前の記事を流用
それだけチェーンが伸びているとこになる。
ある年式の日産車は、どういうわけかこれだけタイミングチェーンが伸びるとエンジンがかからないのである。(プログラムのせい?)
このころの日産車は年式や車種によってはP0335(リングギヤ断線=POSセンサー)を表示したり、P1110(CVTCバルブ制御信号系統)とP0340(PHASEセンサー系異常)を表示したりと様々である。