Hiビームが点灯しないという平成20年式セレナ(CC25、MR20)
同業者からの依頼なのでが、バルブ、ヒューズもOK。スイッチも交換したという。
症状を確認すると、HiとLoを切り替えると、左右とも外側のHIDは切り替わり、ハイビームインジケータランプも点灯している。
しかし、内側のHiビームが点灯しない。
回路を確認すると、HiとLoの切り替えはIPDM E/Rの中のリレーで行っている。
リレーは左右で別々、ヒューズは左右及びハイビームの切り替えとHID用と別々。
よって、左右のHiが点灯しないとなるとIPDM E/Rの不良が考えられる。
念のため、オートアクティブテストで内側のランプが点灯するかを確認したがやはり点灯しない。
やはりIPDM E/Rが怪しい。
他の可能性は無いかと回路図を見ながら考えていたら、ある重大なことに気が付いた。
回路図には、HiとLoの切り替えは、HID内のソレノイドで行っておりその記載があるが、Hiビームと思われるハロゲン球の記載がないのである。
「えっ?あの内側のバルブはHiビームじゃないの?」
ファイネスで調べたが、ヘッドランプの名称の部分の記載がない。
ライティングの項目を調べると、アクティブAFSなるものがあった。
ただ、AFSといっても最近はやりの光軸が変化するものではなく、昔でいうコーナーリングランプである。
点灯条件は、キースイッチ:ON、ヘッドランプ:LO、又はHI点灯、シフトポジション:Pレンジ以外、ステアリング舵角:操舵角に応じて点灯/消灯、車速:車速に応じて点灯舵角変化となっていた。
実際にこの条件にしてみると内側のバルブは点灯した。
実は内側のランプはHiビームではなくAFSランプだったのである。
つまり、全くの正常である。
これはユーザーからの依頼ではなく、車検で入庫しメカニックがHiビームが点灯しないと勘違いしただけなのであった。(^^;)