キーOFF後でもブロアファンが回ったり、オートライトポジションにしていると、スモールランプやライトが消えなかったり、一旦消えていたものが点灯することがあるという平成14年式マークⅡ(JZX110、1JZ)が同業者から持ち込まれた。
依頼者の工場や電装屋さんでも調べたらしく、室内はあちこちが外されている。
エアコンECU(スイッチ類と一体式)も外されており、点検しやすかったのでまずはブロアファンから点検することにした。
キーOFFでもブロアファンが回るということは、エアコンECUに電源が供給されているのではないかと推定。
持ってきた時には症状は出ていなかったが、それでもキーOFFでエアコンECUの電源を調べると2~3Vの電圧が出ていた。
キーOFFなのでイグニッション電源は当然0Vじゃないといけないので、2~3Vというのは明らかにおかしい。
そうしているうちに、エアコンの操作パネルのランプ類が薄く点灯しだし、時々ファンが回りはじめた。
もちろんキーはOFFのままである。
サーキットテスタはエアコンECUの電源端子にセットしたままだったので、テスタに目をやると今度は約8Vになっていた。
ブロアファンモーターのパワトラへの駆動信号(デューティ制御)も出力していた。
この電源が原因だろうと思い、そのエアコンECUの電源端子に電球を接続してみると、端子電圧は0Vになり電球は点灯しなかった。
抵抗をもった状態でショートしているようである。(抵抗を持っていない状態でショートしていると、直接アースするとヒューズが切れるのが嫌だったので電球を使用。)
また、パワトラへの出力信号は停止し、ファンも停止した。
やはり、原因はエアコンECU電源がショートにより供給されていることにあったようである。
配線図でエアコンECUの電源を調べると「エレクトロニクスIG」から供給されており、このヒューズはオートライトを制御しているマルチプレックスネーットワークボデーECUの電源にもなっていた。
このユニットに電源が供給され、オートライトポジションで、かつ暗くなればライトも消えないはずである。
オートライトの原因も同じようである。
これで、この2つの不可思議な症状の原因が同じ可能性が出てきた。
しかし、ショートであれば厄介なことになりそうな気がした。
つづく