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電気回路問題③解説編Ⅱ

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電気の世界においては様々な法則や定理があります。
なかでも代表的なのが「オームの法則」ではないでしょうか?
これは整備士じゃなくても知っていると思います。
 
しかし、調べるといろいろとあるものですね

クーロンの法則
キルヒホッフの法則
ファラデーの法則・レンツの法則
フレミングの法則
ミルマンの定理
テブナンの定理
ガウスの定理
重ね合わせの理
アンペア周回積分の法則
ビオ・サバールの法則
 
 
もちろん、フレミングの法則くらいは知っていますが、名前だけは聞いたような気がするが内容は全く知らないとういものや、聞いたことさえもないというものが多く有ります。
 
電気回路ではオームの法則以外で有名なのが「キルヒホッフの法則」のようです。
 
といっても整備士にとっては一般的じゃないですよね。
 
ただ、整備士は「キルヒホッフの法則」ということで勉強をしていないのですが、実は意識しないままこの法則を使っています。
 
しかし、整備士では勉強しない法則ですが、電気関係の試験を受ける人は必ず勉強すると思います。(高校の授業でも習うかもしれません)
 
実は、私のデーラー時代の後輩が電気店をやっていまして、電気工事もやっているのですが、電気工事士の資格を持っていないまま他の人の名前を借りてやっていました。
 
もちろん、何度か試験を受けたそうですが受からなかったようです。
 
それじゃ、まずいだろうということで8年ほど前に「俺も受けるからお前もいっしょに受けよう」ということで二人で勉強をしました。(実務経験不要です)
 
一応、2人とも合格しまして私も第2種電気工事士の資格を持っています。
 
イメージ 1
 
もちろん、私はペーパー電気工事士ですので実際の作業はできません。(^^)
 
その時に「キルヒホッフの第1、及び第2法則」を勉強しました。
 
どういったものかと簡単に言いますと、第1法則は「電気回路の任意の点に流れ込む電流と、流れ出す電流の和は同じである」というものです。
 
当たり前のことですが、次の回路のA点においては次のことが言えます。
 
イメージ 2
上の回路では、10Aでの電流が流れ込んで、10Aの電流が流れ出ていきます。
下の回路では、5Aと5Aの電流が流れ込んで、10Aの電流が流れ出ていきます。
 
ともに、流れ込む電流と流れ出す電流の総和は等しいということです。
これがキルヒホッフの第1法則」です。
 
前回の記事に書いた「④直列回路の電流は全て等しい(並列回路電圧は抵抗に反比例)」がこの第1法則に当てはまると思います。
 
今回の問題の問1も問2もこの第1法則使って解いています。
(前回の記事の解説文の赤字部分)
 
キルヒホッフの第2法則は「「閉回路内の起電力の和とその閉回路内の電圧降下の和は等しくなる」というものです。
 
これまた当たり前のことですが、電源電圧と回路の負荷にかかる電圧の和は同じです。
 
イメージ 3
たとえば、上の回路のように電源電圧が12Vで、負荷Aが3Ω、負荷Bが9Ωの場合、負荷Aに3V、負荷Bに9Vの電圧がかかります。
 
この時、負荷AとBをあわせた電圧は12Vで、これは電源電圧の12Vと同じということです。
 
これがキルヒホッフの第2法則」です。
 
前回の記事に書いた「⑤並列回路の電圧は全て等しい(直列回路の電圧は抵抗に比例)」がこの第2法則に当てはまると思います。
 
通常、これまた意識しないで使っていると思いますし、今回の問題の問1も問2もこの第2法則使って解いています。
(前回の記事の解説文の青字部分)
 
  
問3はこの2つの法則を元に解いていきます。
 
ただし、E1を電源として流れる回路を回路1とし、回路1に流れる電流をI1とします。(赤線)
また、E2を電源として流れる回路を回路2とし、回路2に流れる電流をI2とします。(緑線)
イメージ 6
 
1とI2の両方が流れる回路の電流をI3(緑及び赤線の両方がある)とします。
 
このI1、I2、I3は「キルヒホッフの第1法則」により、次の式が成り立ちます。

      I1+I2=I3         ・・・・・


 
また、それぞれの抵抗にかかる電圧(電圧降下)は、オームの法則によって「その負荷の抵抗×その負荷に流れる電流」によって求められます。
 
このことを元にE1とE2を電源電圧とする回路を別々に考えます。
 
イメージ 5
まず、E1を電源とする回路では、電流I1が抵抗R1に流れ、電流I3が抵抗R3に流れます。
 
同じように、E2を電源とする回路では、電流I2が抵抗R2に流れ、電流I3が抵抗R3に流れます。
 
これらを「キルヒホッフの第2法則」にあてはめると、次の式が成り立ちます。
 
第2法則
  回路
 E1=I3×R3+I1×R1   ・・・・
  回路 E2=I2×R2+I3×R3   ・・・・

 
この第1法則と第2法則から、分かっている数字を当てはめて、整理したり代入したりすると次のようになります。
 
  
  式及び式に式と数値を代入すると、(I3にI1+I2を代入)

       20=(I1+I2)×1+I1×1  ・・・・

       50=I2×2+(I1+I2)×1  ・・・・
  
式及び式を整理すると、
       20=2×I1+I2          ・・・・
     50=3×I2+I1          ・・・・
 
  
式をI1について整理すると、
        I1=50-3×I2                   ・・・・

  式を⑥式に代入すると
       20=2(50-3×I2)+I2
         =
100-6×I2+I2
       =100-5×I2

      5×I2=80
      
 I2=16[A]

 
同じようにして、I1を計算すると2Aです。
 
 
イメージ 4
 
よって、R1に2Aの電流が流れ2Vの電圧がかかります。
R2に16Aの電流が流れ32Vの電圧がかかります。
R3に2A+16Aの電流が流れ18Vの電圧がかかります。
 
E1は2V+18V=20V
E2は18V+32V=50V
 
計算が合います。
 
 
問3の正解者は福本さんとbm*****さんです。
 
整備士はわからなくもよい問題ですが、お二人はどこかで習っていたのだと思います。お見事です。
 
 
 
見直したつもりですが、間違っているかもしれません。おかしいとところがあったらご指摘ください。

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