時々エンジン始動不能になるという平成12年式ボンゴ(SK22T、R2)
5年ほど前から不具合は発生し、あちこちの整備工場やデーラーでも点検してもらったが、原因がわからとのこと。
ただし、不具合が発生するのは、年に数回とのことなので原因がわからないのも無理もない。
今回は幸いにも症状がずっと続いているという。
まずはダイアグを点検するとコードP1649(FIP補正ROM)を表示。
このエンジンの定番のコードだが始動不能とは関係ない。
ジーゼルエンジンで始動不能となると、寒い時期であれば、圧縮、グローを疑うが、この時期で全くかからないとなると怪しいのは燃料系。
燃料を噴射するスピルバルブの電源と制御側の波形をオシロスコープで調べると、共に12V一定だった。
電源は良かったが制御側に問題があった。
スピルバルブはエンジン回転信号さえ入力されれば、必ず燃料を噴射するはず。
その噴射量はアクセル開度やその他の補正用の信号で増減される。
よって、その噴射信号が出てないとすると、エンジン回転センサかECU系の不良である。
クランキング時のエンジン回転センサ(FIP回転センサ)の信号を調べると、ピーク・ツー・ピークで0.8V。
少し低いような気もするがクランキング時なのでこんなものかもしれない。
念のためコネクタを抜いてクランキングするとFIP回転センサのダイアグノーシスコードを表示した。
裏返せば、コネクタを接続状態では正常と判断しているということになる。
となると、ECUが疑わしいのでカバーを開けると、数か所に錆の発生とコンデンサーの液漏れと思われる箇所が見つかった。
ECUの不良と思われるので、中古だがECUを交換すると始動することが出来た。
この5年間に起こっていた始動不能の原因がECUだったとは限らないので、再発の可能性もあるが、今回の始動不能に関してはECUが原因だったようである。
マツダでは珍しいコンデンサーの液漏れである。