ABS警告灯が点灯するという平成14年式ワゴンR(MC22S、K6A)
知人からの電話相談。
オークションで仕入れた車で、ダイグノーシスはコード16(ストップランプスイッチ入力回路系統)を表示するのだが、ストップランプは正常に点灯するという。
LEDに交換していないかと聞くと、交換しているという。
それが原因かもしれないので、元に戻すように説明しておいた。
翌日、わざわざこちらまで来てくれ、良くなったというお礼の言葉をもらったのだが、なぜ、LEDに交換すると異常検出するのかと聞かれた。
勉強熱心な若者だったので、図を書いて説明した。
あくまでも私の考えで推定の域を出ないので、間違っていたらご指摘を。
解説書をみるとABSコントローラ内の回路は次の通り。
コントロール内の2つの抵抗が直列に接続されており、抵抗の中間から分岐してストップランプに電流を流している。(微弱電流のためランプは点灯しない。)
そして、CPUは分岐点Aの電圧でランプの断線をモニターしている。
ABSコントローラ内の抵抗①と②の値はいくらかわからないが、そこそこ大きな抵抗を使っているのではないかと思われる。
そしてコントロール内の抵抗②とストップランプ2つは並列に接続されている。
ストップランプの抵抗はたぶん2Ω前後と小さいはず。(ワット数から求めた抵抗はもっと大きくなるが、あれは電流を流した状態での抵抗。電流を流していない状態での抵抗はかなり小さい。)
ということは、ストップランプとコントローラ内の抵抗②との合成抵抗は2Ω以下。
よって、ストップランプスイッチOFF時の分岐点Aの電圧は1V以下ではないかと思われる。
これが、電球が2個切れると抵抗①と抵抗②の抵抗値が同じであれば、分岐点Aの電圧はバッテリ電圧の半分になり断線と判断するのではないかと思われる。
それがLEDに変更すると、この回路ではブレーキスイッチOFF時には、微弱電流のためLEDには全く電流が流れない。
つまり、電球切れと同じなので、分岐点Aの電位は上がり異常と判断されるのではないかと思う。
それぞれの数値がどのくらいかわからなかったがが、先日、トヨタでこの件で調べた時に具体的な数字がわかったので紹介する。
トヨタの回路もワゴンRと同じ検出回路で、分岐点の電圧は、ランプが正常な時は1.5V以下なのだが、ランプ切れの場合は、(バッテリ電圧×0.4~バッテリ電圧×0.67V)となるようで、断線と判断するようになっていた。
仮にバッテリ電圧が14Vとすると、5.6V~9.38Vで異常検出となるようである。
もちろんワゴンRが同じとは限らないし、他の車も同じではないだろうが、おおよそのところは同じではないかと思われる。