久々に高難度のトラブル事例。
本当に考えられないトラブルでかなり悩んだが、結果的には予想もしないとこが原因であった。
運よく原因を見つけることが出来たが、多くの工場では迷宮入りとなったであろうと思われる事例である。
車は平成13年式ストリーム(RN3、K20A、5速A/T)が同業者から持ち込まれた。
まず、不具合現象が奇々怪々。
エンジンを始動すると、ATインジケータランプのD、D3、Mランプが勝手に不規則に点滅し、そしてシフトロック・ソレノイドが「カチャカチャ」とチャタリングするのである。
また、シフトレバーをDレンジやRレンジにシフトすると、2~3秒間は何も反応がなく、その後「ガツン」とかなりのショックがあり、それから動き始める。
その後、走行はできるが変速は正常に行われないという、様々な症状が発生するのである。
どちらかというとATに関する複数の箇所に不具合が出ている。
今まで正常に乗っていた車で、改造もされていないノーマル車である。
こんな訳のわからないトラブルは、アース不良、コネクタの差し間違いや誤配線というのがお約束であるが、今回は今まで普通に乗っていたということで、コネクタの差し間違いや誤配線は除外した。
ということで、アース不良だと思い、エンジン&ATコントロールユニットのアース、エンジンアース、シャシアースを調べたが特に問題はなかった。
当然、AT本体の不良やエンジン&ATコントロールユニットの不良の亜k脳性もあるが、依頼者の工場で既に交換済みであり、症状は全く変わらないとのこと。
この時点でどこから手をつければよいのかわからなくなったので、ATに関する制御を調べ直すことにした。
すると、ATに関するシステムは、コンビネーションメータ、エンジン&ATコントロールユニットの他にも統合ユニット(MPCS)が関係していることが分かった。
もしかしたら、この統合ユニットがいたずらをしているかもしれないと思い、アース関係を調べたが、こちらも残念ながら問題はなかった。
こうなると、統合ユニットの不良も考えられるが、回路を見る限りその可能性は低いと感じた。
ただ、他に原因となるようなところが思いつかない。
依頼者に相談すると、間違ってもいいから統合ユニットを交換してみようということになった。
これでよくなれば儲けもの。
しかし、現実はそんなに甘くはない。(^^)
交換してもまったく同じ。
たぶん良くならないどろうと思っていたが、これで万事窮す。
こうなると一からやり直しである。
はたして、こんな症状のトラブル車の原因を見つけることができるのか?
つづく