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Channel: 自動車整備士駆け込み寺 喝っ!
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奇々怪々トラブル/ストリーム③

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摩訶不思議な症状のストリーム。
 
調べていくうちに、いろいろな箇所で電源にノイズが乗っていることに気が付いた。
 
どうすれば、その発生源を見つけることができるのか?
 
エンジンルーム内で見える範囲のコネクタを抜いたがノイズは消えない。
 

どうすれば原因を見つけることができるのか、しばらく考え込んだ。



すると、ある方法が頭に浮かんだ。




このやり方ではラチが明かないので、大雑把に絞り込みを行うために、ヒューズを1つずつ抜いていくことにした。
 
こうすればおよその回路が絞れるのではないかと思った。
 
ヒューズを抜いてはエンジンをかける。
ヒューズを元に戻しては次のヒューズを抜く。
 
エンジンがかかる時もあればかからない時もある。
 
エンジンがかからなければノイズが出ないので分からないのだが、クランキングでも、もしノイズが出ればその系統は除外できる。
 
ノイズが出なければ原因とまでは言えないが、可能性としてその系統は残るという次第である。
 
とにかく少しでも絞り込みができるのではないかと思った。
 
ただし、ヒューズを抜くことで異常コードを検出するだろうし、各学習値がなくなるかもしれない。

また、各学習も必要になるかもしれないが、実際にヒューズは切れる可能性はあるので、それらは何とかなるはずである。
 
 



実際に、ヒューズを順番に外してエンジンをかけると、室内のヒューズボックスの4番を抜くと、エンジンは始動したままノイズが出なくなった。
 
このヒューズの負荷を調べると、驚いたことにA.Cゼネレータ、プライマリO2センサー、セカンダリーO2センサー、バイパスコントロールソレノイドバルブ、パージコントロールソレノイドバルブ、VTCカムセンサー、ELDユニットとATには関係ない部品ばかりである。
 
 
あれだけATに関する不具合が出ていたので、てっきりATに関するところに原因があるものとばかり思っていた。
 
このヒューズを抜いた状態で車を確認すると、ATに関する箇所の不具合は全て解消されていた。
 
「ビンゴ!」である。
 
あとは、このヒューズを元に戻し、このヒューズの負荷のコネクタを1個ずつ抜いていけば、本当の原因が見つかるはず。
 
すると、リヤO2センサーのコネクタを抜くと、ノイズがなくなり全ての不具合がなくなった。
 
リヤO2センサーを調べると、ヒーター回路がショートしていた。
 
 
このショートにより、何故ノイズが出るかは不明だが、原因がリヤO2センサーには間違いなかった。
 
CANにもこのノイズが乗れば、奇々怪々なトラブルが発生するのも頷けるのでCAN信号を調べたところ、予想通りノイズが乗っていた。
 
CANにこのノイズが乗ったせいで様々なトラブルが発生したのではないかと思われる。
 
このATに関する奇々怪々な不具合の原因が、実はリヤO2センサーだったという思いもしない結末であった。
 
訳の分からないトラブルはアース不良、コネクタの差し間違いや誤配線というのがお決まりと思っていたが、これからはこれらにCAN信号のノイズというのを追加しなければいけない。
 
今回のトラブルは、幸いにもエンジンの始動に関係ない個所が原因だったことである。
 
これが、ヒューズを抜くとエンジンが始動出来ないところが原因であれば、このやり方では見つからなかったかもしれない。
 
 
もしそうだとすると、どうやって原因をみつけたのであろうか?
 
考えるとゾッとする。

おわり

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