冷機時のファーストアイドル回転が低いという平成13年式バネット(SK82VN、F8)
同業者からの依頼だが、ISCVと水温センサーは交換済み。
症状からまずはISCVの点検から始めようと思ったが、今では珍しいリニアソレノイドタイプのISCVが使われていた。
このタイプのISCVは、流量制御量が少ないのでエアバルブまたはエアレギュレータが使われているのが一般的である。
ただ、この年式でエアバルブやエアレギュレータを見たことがない。
症状からはエアバルブやエアレギュレータが怪しいのでエンジンルームを調べたがそれらしきものが見当たらない。
資料で調べてみたがやはり使ってないようだった。
ということはISCVで全てのアイドル回転制御を行っているということになる。
(かなり大きなホースを使っているので、リニアソレノイドタイプでも十分な流量があるのかもしれない。)
ということで、ISCVを調べるとことにした。
アイドル回転中にISCVのプラス側とマイナス側の電圧を点検すると、10V~11Vで変化していた。
これはどう考えてもおかしい。
通常、電源側はバッテリ電圧でアース側はかなり小さいはず。
それに電源側がかなり変化するとこをみると、電源側に電圧降下が発生しているのではないかと思われる。
試しにマイナス側をアースしてみたがアイドル回転は全く変化しない。
通常であればバイパス通路が全開になるので回転が高くなるはずである。
そのときのプラス側の電圧を調べると、やはり0Vだった。
オシロスコープで波形を調べると、とても変な波形が現れた。
上が+側、下が-側端子。
プラス側とマイナス側が全く同じ波形なのである。
これではISCVが動くはずがない。
電源がどこから供給されているのか調べると、意外にもECUから供給されていることがわかった。
ISCVの電源側が12Vで間違いないだろうかとECUの端子電圧も調べると、これまた意外にも電源側もデューティ制御していることがわかった。(あまり意味がないような気がするが・・・・・)
ECU~ISCV間の配線の断線・短絡を調べたが特に問題はなかった。
どうみてもECU不良である。
念のためコンデンサーの液漏れを調べたが問題なかった。
ということでECUを交換してよくなった。
↓交換後の正常な波形
+側が14V、-側が0Vの時がON状態。
OFF時は+側が8V、-側が10Vとおかしな電圧である。
これって電源側もデューティ制御する必要があるの?