朝一番だけ始動できないという平成11年式サンバ(GD-TV1、EN07)が同業者から持ち込まれた。
その工場で調べた結果、始動できないときには火花が飛んでおらず、インジェクタも作動していないらしい。
交換部品を尋ねると、カム角センサーとECUは交換したとのことであった。
信頼できる工場からの依頼だったが、念のため基本点検から実施。
ダイアグは正常。
始動できないときには火花は飛んでおらずインジェクタの作動音もない。
依頼者の言うとおりである。
こうなるとカム角センサーやECUを疑うのは当然である。
カム角センサーの波形と、ECUの電源、アース、Vc電圧を点検できるように全てのサーキットテスタとオシロスコープをセット。
そして同僚と2人でチェック。
キーON、ECUの電源、Vc、アースOK。
クランキング時、ECUの電源、Vc、アースOK。カム角センサーの波形も出ている。
波形を止めて、ローの電圧とハイの電圧を点検。OK!
波形のパターンは・・・・・・、ちょっとおかしいような気がする。
事前に始動後の波形は確認済みで、エンジン回転中のカム角センサーの波形は「2-2-2・1-2・1-2・1」なのだが、1つの歯抜けのような気がするが、クランキング時の不安定な状況とも思える。
それに、仮に歯抜けだったとしても、その時は点火時期や噴射時期が狂うだけで、火花が飛ばないということはないはず。。。
もう一度波形を点検するためにクランキングするとエンジンがかかってしまった。
しばらくすれば症状が出るだろうと思って数時間後クランキングしたが始動できた。
朝一番なら毎日出るということなので翌日調べたがやはりエンジンがかかってしまった。
それから3日間ほど試したが不具合が出なくなってしまったのである。(3月中旬の入庫であり、寒さがちょうど和らいだ時期)
今のところカム角センサーが怪しいが不具合が出ないことには断定できない。
それにカム角センサーは交換しているということだし・・・・
カム角センサーは交換した。
でも、カム角センサーが怪しい。
まさか中古のカム角センサーじゃないだろうと思い現物を見たがどうも新品っぽい。
念のために依頼者に確認すると、新品だが優良部品とのこと。
優良部品?
なんのこと?
話を聞くとどうもリビルト品のようである。
純正じゃないにしろ、新品なので大丈夫だろうと思った。
預かって1週間近くなっていたのでどうにかしない。
もう一度頭の中を整理することにした。
つづく