もう一度頭の中を整理。
ブロワファンスイッチで風量を変えても制御用信号(5番端子)が変わらないのはエアコンアンプの不良である。
(基準値は2~5Vとなっていた。たぶん1段で約2V、4段で約5V)
念のため、アンプの電源、アースを点検したが問題なかった。
ついでに温度ボリュームや吹き出し口の切り替えスイッチを操作した時の信号を調べたが、こちらは操作と共に電圧が変化していた。
これらの信号は問題なかった。
それでもエアコンアンプの不良が疑われたが、パワートランジスタからのフィードバック信号が1.3Vというのが気になる。
この電圧はほぼMAX風量に近い電圧なのに、実際はローで回っている。
制御用信号はMAX風量、フィードバック信号もMAX信号、なのに風量はロー。。。
このことからはモーターの不良。。
何かがおかしい。。
配線図とにらめっこすること1分。
肝心なことを忘れていた。
フィードバック信号(6番端子)とブロワファンのマイナス側が同じ電圧とは確認していなかったのである。
もしかしたら、この間で接触抵抗があるかもしれない。
配線図上では、パワートランジスタとブロワモーターは1つのコネクタしかないが、実際にはそれぞれにもコネクタはあるのである。
モーター部で電圧を調べると、11Vと1段目の風量の電圧であった。
パワートランジスタ部でも同じ電圧なので配線途中の接触抵抗もないことになる。
これでブロワモーター不良の可能性はなくなったが、逆にパワートランジスタ不良の可能性が高くなった。
(モーターのアース端子と6番端子間の抵抗)
パワートランジスタを強制的に動かしてみようと思い、パワートランジスタ部のコネクタの6番端子を抜いてみた。
乾電池を使ってパワートランジスタを強制的に動かして風量を変えてみようと思ったのである。
ここで驚きの現象が発生!!
パワートランジスタを作動させるための制御信号(6番端子)を抜いたのである。
当然、ブロワファンは回らないと思っていたのだが、今までとなんら変わることなくローで回っていた。
ファンスイッチをOFFすると、当然、電源側のリレーがOFFするので止まった。
これで、パワートランジスタの不良が確定した。
たぶん、内部でショートしているのだろうと思い外して点検することにした。
外したパワートランジスタの端子部を見ると、「L、M1、M2、H」という打刻があった。
「え~~~~~っ!」
一瞬、思考回路が停止してしまった。
これって、マニュアルエアコン用のレジスタじゃないの?
各端子で抵抗を測定すると、間違いなくレジスタであった。
交換した部品が車にあったので見ると、コネクタは同じだが全く違う部品であった。
オートエアコン用のパワートランジスタに交換すると正常に作動するようになった。
なぜ間違ったのかは、依頼者と部品商の間のことなので不明だった。
オートエアコン用のパワートランジスタの代わりに、マニュアルエアコン用のレジスタがついているとは、とても考えられないトラブルであった。
どうりで訳が分からないはずである。