ショート回路点検用ヒューズ(テストランプ)を使用する場合、「「BACK/TURN」ヒューズが切れる・ジムニー」http://blogs.yahoo.co.jp/itakame3/64737814.htmlのトラブルのように、その回路の負荷の抵抗の大きさによってテストランプの点灯する明るさが変わってくるので注意が必要である。
Rレンジにするとヒューズが切れるトラブルの場合、不具合発生時はテストランプを入れると明るく点灯した。
テストランプの電源側はバッテリ電圧で負荷側はショートしていたのでほぼ0Vであった。
ショート箇所を修理したらテストランプは点灯しなくなったが、バックアップランプを接続するとテストランプは明るく点灯した。
テストランプの電源側はバッテリ電圧で負荷側は0.3Vだった。
これは仮にテストランプが12V/3.6W(実際は3.4Wだが計算しやすいように変更)、バックアップランプが12V/24W(同じく変更)
で計算すると、テストランプは40Ω、バックアップランプ1個の抵抗は6Ωとなる。
この回路に流れる電流は12V/3+40Ω≒0.28Aになる。
しかし、実際は電流が定格より小さいのでそれぞれの抵抗値は小さくなると思われるが細かいところは省略。(発熱することでランプの抵抗値は大きくなるから)
仮に0.28A流れたとすると、テストランプの負荷側は0.84Vとなる。
バッテリ電圧が12Vだとするとテストランプには11.16Vの電圧がかかることになり通常と同じ明るさで点灯する。
逆にバックアップランプには0.84Vの電圧しかかからないので点灯しないということになる。(実際には0.3Vしかかかっていない)
このように負荷の抵抗が小さい場合は、回路が正常でもショートしていても明るく点灯するので明るさでの判断は難しい。
よって、負荷を外した状態で点検しなければならない。
それから、時々ショートする不具合の場合、負荷の抵抗が小さいとヒューズの代わりにテストランプを入れると負荷が作用しないので注意が必要。
このように負荷の抵抗が小さい場合は、負荷が作動しなくなる可能性があるのと、ショート時と正常のテストランプの明るさに違いが出にくくなるので注意が必要である。
これが負荷の抵抗が大きいほど負荷に影響が出なくなり、ショート時と正常時のテストランプの明るさに違いが出てくるので、あまり気を付けなくても構わない
以前紹介した事例(http://blogs.yahoo.co.jp/itakame3/33414942.html)では、エンジンECUの電源のヒューズが時々切れるといったものだったが、ECUの抵抗が大きいせいかテストランプは全く点灯せずにECUも正常に作動していた。
しかし、エンジンルーム内のハーネスをゆするとテストランプが明るく点灯してエンストした。
このように負荷の抵抗が大きい場合は、負荷をつないだままのテストランプの明るさでショートか否かを判断できる。
ただし、負荷の抵抗の大きさによっては負荷が作動しない場合もあるのではないかと思われる。
【まとめ】
負荷を接続している場合、負荷の抵抗が小さいほど、正常な時とショートの時のテストランプの明るさの変化が小さくなる。
この場合はテストランプの負荷側の電圧の変化でショートか否か調べる。
また、負荷の抵抗が小さいほど負荷が作動しなくなりやすいので、場合によってはこのテストランプは使えない。
よって、負荷の抵抗が小さい場合は、負荷の接続を外せるなら外した方がよい。
逆に負荷の抵抗が大きくなるにつれて、正常な時のテストランプの明るさは暗くなる。(もちろんショートのときは明るく点灯)
また、負荷が作動しやすくなる。(ランプが暗い=負荷にかかる電圧が高い)
負荷が作動するのであれば、負荷は外す必要はない。