マフラーから火が出たという平成20年式キャラバン(VWME25、ZD30)が同業者から持ち込まれた。
また、火が出た?
レガシーの悪夢が蘇る。(^_^;)
本当に火が出たのかと聞くと、ユーザーはそう言っていたのだという。
また、高温になったせいかマフラーの先端が真っ白になっていたとのことである。
整備工場からの依頼で詳しいことがわからなかったので問診をやり直してもらった。
その結果、火が出たのではなく白い煙が大量に出たとのことだった。
また、かなり臭かったということらしい。
それからDPF付の車なので手動再生スイッチを押したのかと聞いてもらったが、押した記憶はないとのことだった。
持ってきた車のマフラーを見ると、確かに真っ白だが焼けて白くなったのではなく、ただ単に白煙による汚れと思われた。
その証拠にマフラー近くのボデーも同じように白くなっていたが、拭けばきれいになった。
問題はこの白煙が何なのかである。
手動再生による可能性があるが、スイッチは押していないという。
とりあえずダイアグを点検すると、CAN通信、空燃比センサー、排気温度センサ2(高温異常)、排気温度センサ2(低温異常)を表示。
消去後、確認すると空燃比センサーを表示。
データーで空燃比センサーを見ると1.5Vから変化しない。
ジーゼルの空燃比センサーを調べたことはないが、全く変化しないとは思えない。
たぶん交換が必要だろうと思いながら他の信号も見てみると、排気温度がおかしなことに気が付いた。
排気温度センサー1は434℃なのに排気温度センサー2は-20℃なのである。
これまた交換が必要である。
この2つの部品が壊れたのと、今回の不具合に関連があるのかどうかは不明だが、部品が悪いのは間違いないので交換することにした。
交換するために外した部品を見てビックリ!
2つとも溶けていたのである!
こうなると火が出たかどうかはわからないが、本当に高温になったとこは間違いないようである。
部品が届いたので空燃比センサーと排気温度センサーを交換した。
交換後はダイアグも正常コードを出力するようになり、排気温度も正常となった。
これで見た目上は正常だが、そもそもの白煙が出た原因と2つのセンサーが溶解した原因がわからない。
空燃比センサーと排気温度センサーという、そもそも高温に耐久性のあるセンサーが溶解していたのである。
当然、触媒(酸化、DPF)も壊れている可能性もある。
一応、ジーゼルスモークも測定しておくことにした。
この測定が思わず原因究明につながっていくのである。
つづく